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鼻の病気


アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療は? 

2011-02-02
アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療は?

 
1. 原因療法

なんと言っても一番効果があるのは原因となる物質(抗原)を体に入れないようにすることです。そのためにも抗原を調べる検査をしておくことがのぞましいのです。抗原がわかれば、その原因を取り除く努力をすることが治療の基本です。アレルギーのある方は自律神経(体調を整える神経)のバランスが悪いことが多いので、適度な運動で体を鍛える、朝晩乾布摩擦をして皮膚を刺激する、ストレスを避け、規則正しい生活を送ることなども大切です。
その上で行う治療には、症状を抑える対症療法と、体質を変える根本的なものがあります。

 
2.対症療法:薬で症状を抑える

① 抗アレルギー薬(飲み薬、点鼻薬、点眼薬)
アレルギーを抑える薬です。飲み始めて数日後から効果が強くなり、2~4週間続けると効果が最大になります。最近増えている花粉症などの季節性アレルギーでは、症状の出る時期の2週間前から予防的に内服することにより、症状を軽くすることがわかっています。

② 抗ヒスタミン薬(飲み薬)
即効性がありますが、副作用として眠気やだるさが起きることがあるので、自動車を運転される方では注意が必要です。抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用を両方持っている薬も多くあります。

③ ステロイドホルモン(飲み薬、点鼻薬、点眼薬)
人の体内に普通にあるホルモンで、アレルギーを抑える強い作用がありますが、飲み薬では副作用(胃炎、にきび、生理不順、高血圧や糖尿病の悪化など)も出やすいため、主に鼻へのスプレーとして使われます。
スプレーは、普通の飲み薬では効果が出にくい鼻づまりにも割合よく効きますが、入れてすぐ効くのではなく、1週間ぐらい連用すると鼻づまりが取れてくるので、根気よく続けることが必要です。
飲み薬はどうしても症状が強くて我慢できないときに頓服で使用します。

④ 血管収縮薬(点鼻薬)
鼻づまりをとりあえず取る点鼻薬です。入れてすぐ鼻づまりが取れますが、連用するとかえって鼻づまりが強くなることがあるので、どうしても苦しいときだけ使うようにしてください。連用の目安は1日4回まで、1週間までです。

⑤ 漢方薬(飲み薬)
長期の内服でも比較的副作用が少ない、薬をやめた後の後戻りも西洋薬より少ない傾向があるなどの特徴があります。ただし、全く副作用がないわけではなく、また同じ薬でも飲む人の体質によって全く効き目が違う場合もあります。


3.減感作療法:注射による体質改善治療

アレルギーの原因物質のエキスをごく薄い濃度から注射し、だんだん濃くしてゆき、ある一定の濃度になったところでその濃度(維持量)の注射をずっと続けて、体を慣らしていく治療です。初めのうちは週1~2回、維持量になればだんだん間隔を長くして、2~3年は注射を続ける必要があります。副作用として、注射部位の腫れやかゆみ、まれに喘息発作やじんましんを起こすことがありますので、体調の悪いときは注射しない、注射後30分は院内にとどまるなどの注意が必要です。有効率はハウスダスト、スギとも6割~8割といわれています。当院ではハウスダストとスギについて実施しています。
効果があれば、まったく薬を飲まなくてもよいか、時々飲めばよい程度まで症状を改善できます。ただし、注射をやめた後数年後にまた症状が出てくる後戻り現象を起こすことがあります。

 
4.非特異的減感作療法:注射による体質改善治療その2

アレルギーの原因物質がたくさんある場合や、原因がはっきりしない場合に行います。1週間に1回の注射を6回行います。
 
 
5. 手術

症状のうちでも特に鼻づまりは治療が効きにくいことがあり、治療をしても鼻づまりだけ残った場合や、どんな治療をしても効果の思わしくない方では、手術の対象となります。当院では鼻粘膜電気凝固術を行っています。これは鼻の中の粘膜を電気で焼き縮めて鼻づまりをとる手術で、局所麻酔、手術時間30分ほどでできますが、術後2~4週間は鼻の中にかさぶたがつくので頻回の通院が必要、1~数年で症状が再発することがあるなどの欠点があります。
そのほか、副鼻腔炎を合併している方では副鼻腔炎の手術が必要な場合があります。その場合は近隣の入院設備のある病院をご紹介することになります。
 
アレルギー性鼻炎は体質によって起こってくる病気ですから、治療は長く時間がかかります。また、アトピーや喘息のある方は全身的な管理が必要になります。軽症の方、季節性の方では対症療法でもよいでしょうが、1年中症状のある通年性アレルギーの方や、季節性でも重症の方、妊娠する予定のある女性の方などでは根本的な治療をお勧めします。軽症の方でも妊娠をきっかけに重症化することがあり、特に妊娠の初期にはあまり薬を使わないほうがよいからです。季節性の方でも症状の出る時期は避けて妊娠するよう計画出産をお勧めします。小児の鼻アレルギーでは約15%で自然治癒が見られるといわれていますが、大人の場合は50~60歳になるまでは自然治癒はあまり期待できません。自分のアレルギーの原因を知り、長期にわたって治療の計画を立てることが必要といえます。


 
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